2005年08月12日

『ローマ帝国衰亡史』

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 この『ローマ帝国衰亡史』(筑摩書房刊)は、1976年に第1巻が中野好夫さんの新訳で刊行されたのだが、最終巻の11巻(刊行が始まった頃は10巻の予定だった)が刊行されるまで18年かかった。だいたい筑摩書房のシリーズものはかなり長い年月をかけて刊行されるのだが、この本はある意味異常という事態で、そんな年月がかかってしまっている。
 しかし、このギボンの『ローマ帝国衰亡史』がこれほど刊行に年数がかかったのにはわけがある。まず、訳者の中野好夫さんが亡くなられたこと。そして確か筑摩書房が倒産。(この出版社何度か倒産している)
 その後を継いだ、新しい訳者朱牟田夏雄さんも5巻から6巻と訳されて、亡くなられた。そして第三走者として中野好之さんが最後まで訳を引き受けられた経緯がある。その為18年もかかってしまったのだ。以下時系列で記述すると以下の通りになる。

1976年11月 第1巻刊行開始 中野好夫訳(以下4巻まで中野好夫訳)
1978年5月  第2巻
1978年7月  筑摩書房倒産
1981年9月  第3巻
1985年2月  中野好夫死去
1985年10月 第4巻
1987年3月  第5巻 朱牟田夏雄訳(以下6巻まで朱牟田夏雄訳)
1987年10月 朱牟田夏雄死去
1988年10月 第6巻
1990年3月  第7巻 中野好之訳(以下最終巻まで中野好之訳)
1991年5月  第8巻
1992年4月  第9巻
1993年4月  第10巻
1993年9月  第11巻

 というわけで波瀾万丈の本なのだが、購読者としてはたまったもんじゃない。だって版元の筑摩書房が2巻刊行後、倒産してしまったので、このシリーズは以後ちゃんと刊行されるのだろうかと不安だった。何とか3年後3巻が発売され、安心したところへ、最初の訳者の中野好夫さんが亡くなられる。そして4年待って、朱牟田夏雄さんの訳で第4巻が発売された。ところがその朱牟田夏雄さんも亡くなられた。こりゃあもうダメだと思っていた。幸い、1年5ヶ月後中野好之さんが後を引き継いでくれて、後は1年おきに新しい巻が刊行された。
 この本は元々大学時代に読もうと思っていた本であったのだが、こうも刊行が遅れに遅れると話しにならない。結局大学時代には読めなかったことになり、そのまま本棚に置かれることになってしまったのである。
 ギボンのこの『ローマ帝国衰亡史』は実を言うと岩波文庫で刊行されていた。ところが当時つまり私が、大学時代は「品切れ重版未定」の状態で、手に入らなかった。
 しかし、岩波書店はよくリクエスト復刊といって、現在品切れだけど、要望が多いと、もったいぶって一時的に復刊するのだ。1988年にこの『ローマ帝国衰亡史』が全巻セットで復刊されたのだ。

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 私は半ば筑摩書房のこのシリーズは諦めかけていたので、仕方なしにこの復刊された岩波文庫の『ローマ帝国衰亡史』を買った。従って、『ローマ帝国衰亡史』は岩波文庫版と筑摩書房のと2セット持っている。(ちなみに、この『ローマ帝国衰亡史』は現在、筑摩学芸文庫でも読める)
 
 というわけで、曰く付きの本を読んでみたくなった。もちろん古典の部類に入る本だけに今までみたいにそう簡単にページが進むまない。でも今1巻を読んでいるのだけど、何とか読めそうな気持ちでいる。こういうのをゆっくりと読むのもいいじゃないかと思っているし、読み疲れたら、ちょっと一休みしても、次の巻に入るにはそれほど問題はないように思えるので、じっくりと読んでいきたいと思っている。

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