2005年08月14日

ギボン著『ローマ帝国衰亡史』第1巻

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 ギボンの『ローマ帝国衰亡史』(筑摩書房刊)第1巻を読む。この巻は何故ローマ帝国が衰退していくのか、その序章みたいな感じで始まる。私にとって懐かしい名前がいくつも出てきて、思わずうん、そうだったよなぁと昔やったことを思い出しながら読んでいた。
 それにしても、帝政ローマは五賢帝時代、いわゆる「Pax Romana」といわれる時代後、愚鈍な皇帝がこうも次から次へと出てくるものだと呆れかえってしまう。広大な領土を維持するためには、軍隊の力を借りないとどうにもならないのは、ある意味「力」で押さえつけないとその領土を維持できない状態だったということだし、オクタヴィアヌスから属州支配の方法をなだめすかしながら、搾り取るわけだから、いくら宥和政策でもやはり無理が生じてしまう。そしてその背景にはローマ軍の力を借りないとどうにもならない状況だった。
 当然軍はいやが上でも力を持ってくるし、わがままになる。ローマ皇帝が軍を背景に擁立されればなおさらだし、そうなれば余計に軍の性質も変わってくる。かつてあったローマ帝国軍の威厳などそこにはなく、腐敗と堕落しかなく、その力を借りて擁立されるローマ皇帝だって、ろくな人間が出てくるわけがない。つまりもう内部から衰退の兆しが現れているのだった。
 たとえば、あの公衆浴場で有名なカラカラ帝などは本当にどうしようもない皇帝だったらしく、自分の弟、ゲタと2人でローマ皇帝となったが、その弟を殺害して、1人独壇場の皇帝になった。その時ゲタの葬儀にカラカラ帝は、「神となれ、だが、生者とはなるな」と言ったらしくその後、やりたい放題やった上に殺される。

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 こうした内部的に腐敗していくローマ帝国を描きながら、外部で、ローマ帝国を脅かしていく民族の姿を描いている。ペルシャもそうだし、ゲルマン民族の姿も描く。
 古ゲルマンの生活などは私でもこれはタキトゥスの『ゲルマニア』やカエサルの『ガリア戦記』が中心資料として使われていると分かったので、(もっともそれしかなかったという理由なのだが)、これも懐かしかった。
 この巻は、ローマの内部的腐敗とゲルマン民族、特にゲルマン民族大移動のきっかけとなるゴート族の内情にふれ終わる。
 総じて、今のところ在位した皇帝がどうしようもない皇帝ばかりだったといった感じで、かなり批判的にギボンは書いている。もちろん、ましなローマ皇帝もいたわけだけど、あまり突っ込んだ記述はされていない。まぁ衰亡史なのだから、悪い面を強調する必要性はあるのかもしれないが、今後この本はどういうかたちで展開されるのか楽しみだ。

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