2005年08月20日
斎藤一郎著『本屋なしではいられない』
この『本屋なしではいられない』(遊友出版刊)は、たまたま休みにブックオフに行ったとき、棚でそれを目にしてしまった。私はこういう本屋さんのことを書いた本が好きなのだ。それでついつい余計な本?を買ってしまった。
著者は出版社の営業をやっていたときに、各地の本屋さんを回っていた。そのため本屋さんはこうあって欲しいという気持ちが随所に出ているが、でもちょっと難しいだろうなというのが率直な気持ちだ。
斎藤さんが薦める本を、現在の本屋さんのほとんどがとっている本の並べ方をやめてやると、とてもじゃないが本の管理ができなくなっていく。それは本のアイテム数が多すぎるからで、版型とか出版社を無視した、関連商品の陳列はどうしても難しい。
確かに新書なんか、入門書や解説本などが結構多いし、文庫でもビジュアル的で写真をふんだんに使ったものもある。それをうまくまとめて、実用書の棚でも入れれば、面白いものになるだろう。あるいは単純に文芸とかビジネスとか分けた棚より、あるテーマに沿ってまとめた棚なんか面白いと思う。でも、やっぱり文庫は文庫専用の棚に出版社別で、著別に並べた方が管理しやすいし、新書にしたって同様に新書のコーナーに並べてしまう。
斎藤さんが提案する本の並べ方をした棚を見れば、「おや?」なんて思うことも、思いもしなかった本を手に取ってしまうこともあるだろうけど、それは書店員がその本のことをよく知らないと出来ない。今の本屋さんでそれを要求するのは酷な話だし、又それほど本のことを知っている店員がいるとも思えない。特に大書店が当たり前の時代に、そんな非効率的な本の管理の仕方などするわけがない。個性的な中小書店がそういうことを可能にするだろうけど、その中小書店が生きにくい時代なのだから、いっそう難しい。それに本屋さんも斎藤さんがいう陳列の仕方を考えていないわけじゃない。それをしたら面白いだろうと思うが、やっぱり管理の仕方が難しい。ただ指南書としてこの本を参考にするにはいいかもしれない。
それと斎藤さん自身、どっぷりと本屋につかった人じゃないので、わりと距離を置いて本屋を見ている視線がいいし、更に本や出版界の知識など紹介されていて、一般の人におすすめの本のような気がする。
第1章の「本屋さん観察学」として、本屋さんがつける本のカバーの付け方が図解で載っていた。ご存じだろうけど、本屋さんでつけてくれるカバーは本屋さんによってそれぞれ違う。でもほとんどがここに紹介されるやり方だろう。面白かったので、ここにあげてみる。
ちなみに廃業した本屋の店員である私が自分の本をカバーするときは、この「保存型」である。これだと絶対にカバーが本から外れることがないので安心なのだ。しかも天と地がぴったりしているので、だぶついた感じがしなくて、手にフィットする。
- by kmoto
- at 08:48
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