2005年11月16日

松本清張初文庫化作品集1『失踪』

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 本当に久しぶりに松本清張さんの作品を読む。高校時代清張作品にはまってかなりの作品を読んだことがある。松本清張さんの作品を読むのは、考えてみればそれ以来かもしれない。
 しかしその殆どが忘れてしまっている。この『失踪』(双葉文庫)に収録されている短編の2作ぐらいもしかしたら当時読んでいたかもしれない。

 松本清張さんの作品はいわゆる社会派推理小説といわれ、最近のミステリーみたいに大がかりな仕掛けなど殆ど使われない。むしろ人間関係に潜む憎悪や欲が生む犯罪の謎解きが主流である。それに過去にちょっとした秘密があったりすると、それがスパイスになっていく。
 だからその人間関係に潜む憎悪や欲を解き明かせば犯人が分かっていく。もちろんトリックがない訳じゃないが、わりと普段どこにでも見かける風景の中にそれがあるから、謎解きを楽しんでいると、時にハッとすることもあったりして、またそれが楽しかった。ただあくまでも主眼は人に置いている。

 この本は「草」、「失踪」、「二冊の同じ本」、「詩と電話」の4編の短編が収録されている。推理小説なので内容を書くわけにもいかないので控えるが、個人的には「二冊の同じ本」が面白かった。実を言うとこの題に惹かれてこの文庫を買ったようなものなのだ。私は本にまつわる推理小説が好きなのだ。どうやらこの松本清張さんのこの文庫はシリーズ化されそうだから、これからも読んでみようかと思っている。

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