2005年12月11日
横山秀夫著『震度0』
こういうサスペンスはどんな形でここに書けばいいのか難しい。下手に書いてしまうと話の内容をバラしてしまうわけだから、それは礼儀に反するだろうし、かといって「この本読みました」で終わりというわけにもいかないので困ったものである。
さて、『震度0』(朝日新聞社刊)に限らず、横山さんの著作の特徴として、事件事故とは別に、それに関わる人たち立場が問題になってくるパターンが多い。たとえば昨日NHKでやって『クライマーズ・ハイ』にしても、日航の墜落事故を誰がどのように扱うか、同じ新聞社内でも立場の違いで、扱い方が違ってくることがうまく表現されていた。(但し悠木はちょっとかっこよすぎて浮いちゃっている部分があって、こんなやつ現実にいるのかなぁ、いるとやっかいだなぁと思うところがある)まぁどの社会にもセクト的なものがあるから、これがN県警だとこの物語になる。
阪神淡路大震災があった日、N県警の不破警務課長が失踪が判明する。この失踪捜査を県警幹部の誰がイニシアティブを取って捜査するか、内部的立場や、次のポストなどの野心、あるいは癒着、不倫などが絡んで、本部長、警務部長、警備部長、刑事部長、生活安全部長、交通部長が内部抗争的に争い、あるいは牽制しながら不破警務課長の失踪原因の究明にあたる。更に警察にある、キャリア、ノンキャリアの争いもそれに加わってくる。
この話どちらかといえば何故不破警務課長が失踪したのかを直接解明するのではなく、その捜査が誰がどのようにやっていくか、その主導権争いの過程で不破警務課長の失踪原因が明らかにしていく。
それにしても自分の野心に邁進すると、そのために保身は絶対的必要なのであろうが、ここまでくると計算ずくめだから本当に醜い。
そういえばこの本今年の「このミステリーがすごい!2006年版」の国内編3位に入っている。
- by kmoto
- at 08:04
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