2006年03月07日
松本清張初文庫作品集3『途上』
松本清張初文庫作品集3『途上』(双葉文庫)には、「紙碑」、「途上」、「老十九年の推歩」、「夏島」、「信号」の5編が収録されている。まぁ、感想は前回と同じで、どれも今ひとつであった。
松本清張さんはミステリーももちろん有名であるが、歴史的考察もいくつも書かれている。今回の文庫に伊能忠敬の評伝が収録されている。
その「老十九年の推歩」は伊能忠敬が50歳になって、千葉県佐原市の商家を隠居して測量学を学んで、残りの人生に日本国地図を作成していったか、その経緯を語っている。 実は以前初詣に深川の富岡八幡宮に行ったとき、境内に伊能忠敬の銅像があって、何でこんなところにこんな銅像があるのか不思議であったのを思い出した。 伊能忠敬は、隠居後、深川の黒江町に住んで、ここを起点に日本地図を作成していった経緯があり、そのために富岡八幡宮に伊能忠敬の銅像が作られれたのだろうとこの短編を読んで納得した。
もう一編「夏島」は、明治の日本国憲法草案が神奈川県の夏島にある伊藤博文別荘で極秘に作られたのだが、その草案が憲法が公布される前に、漏れ伝わっていたらしい。それが極秘に『西哲夢物語』として出版された。インターネットで調べてみると、この『西哲夢物語』という出版物は実在していることを知る。この物語は、誰が憲法草案を漏らしたか、推理小説的に考察している。
通常の作品は風化していて面白くないと書いたが、それはこの文庫でも同様である。が、こうした歴史的考察、推理はまだ読むことができた。
評価
★★
- by kmoto
- at 20:36
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