2006年07月19日

宮部みゆき著『理由』

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 この話は、北千住の高層マンション「ヴァンダール北千住ニューシティ」のウエストタワー2025室に関わった、それぞれ理由ありの人間達をめぐる話である。事件後関係者のインタビュー形式で話が進んでいく。
 6月のある嵐の夜この「ヴァンダール北千住ニューシティ」のウエストタワー2025室で一家四人殺人事件が起こる。殺された家族と思われる一家はそのマンションの持ち主小糸信治一家ではなかった。この2025室の住人はまわりが知らないうちに小糸信治一家から砂川一家に入れ替わっていたのである。殺されていたのは砂川一家と思われた。
 何故持ち主である小糸信治一家がおらず砂川一家がここに住んでいたのか?そして何故彼らが殺されなければならなかったのか?事件はこのマンションをめぐって謎と化していく。

 捜査が進むに当たり、この「ヴァンダール北千住ニューシティ」のウエストタワー2025室が競売にかけられていることが分かった。小糸信治は苦労してお金をやりくりしてこのマンションの一室を手に入れるが、もともと彼にとって分不相応な物件であり、しかも彼自身金遣いが荒く、その上妻静子も派手好きで、ブランド好きときていたので、破綻は時間の問題であった。結局借り入れた返済が出来ず、手に入れたマンションは競売にかけられ、彼ら一家はそこを出て行くはめになる。
 しかし小糸信治には見栄があり、何とかこのマンションを手放さないでいい方法がないかと模索しているときに一起不動産の早川一起社長と知り合う。彼は「占有屋」と呼ばれる競売を妨害して利益を得る人間であった。砂川一家は早川社長に雇われた者達であった。小糸信治は早川社長と組んで競売を妨害し、「買い受け人」である石田直澄から、自分のマンションを守ろうとしたのであった。

 一方でもともと競売物件というのは、何かいわくつきの物件が多く、その分相場より安いものとなっている。しかし一般民間人で素人の石田直澄が簡単に手を出せる物件ではなかったのである。そんな物件をなぜ石田直澄は買い入れたのか?そして砂川一家と思われる人達が殺害された嵐の夜、石田直澄は現場にいた。そしてもう一人赤ちゃんを抱いた女性もそこにいた。

 こんなところで話はやめる。今年はこれで宮部さんの本を3冊読んだことになる。今回は朝日新聞社刊のものを読んだ。

評価
★★★

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