2006年11月12日

海堂尊著『チーム・バチスタの栄光』

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 患者に対してやってあげられることは、話を聞くだけ。うなずき返すだけという東城大学医学部付属病院の不定愁訴外来、通称愚痴外来の責任者田口公平が病院長から桐生恭一率いるチーム・バチスタ調査を依頼される。バチスタチームが引き続いて3件の術中死亡事故を起こしたのだ。この事故が医療事故なのか、又は手術に伴うリスクなのか、あるいは・・・。とにかく病院にあるリスクマネジメント委員会にかける事故なのか予備調査を依頼されたわけである。
 チーム・バチスタはバチスタ手術を行うスタッフの名称である。そしてバチスタ手術とは拡張型心筋症の手術であって、その方法は「肥大した心臓を切り取り、小さく作り直すという、単純な発想による大胆な手術。余分なものなら取っちまえというラテンのノリ」的手術らしい。手術のリスクは高く成功率は平均6割だという。そんな中でもチーム・バチスタは好成績を残していたのだが・・・。
 田口はチーム・バチスタの調査を受けざるを得なくなり、スタッフ全員から聞き取り調査を始め、手術にも立ち会う。田口が2回目の手術に立ち会ったとき、又術中死亡事故が起こる。
 田口にはそれがどうして起こったのか、その原因すら分からなかった。ただこれはただならぬ事態であることは予感し、直ちにリスクマネジメント委員会にこの事故を上げるべきだと院長に提案する。
 そんな中、厚労省大臣官房秘書課付技官白鳥圭輔が院長の依頼でこの事故の調査に乗り出してきた。白鳥は田口が答えを見いだせない部分を引き継いでいく。調査は白鳥、田口の二人で続けられた。

 白鳥圭輔のキャラは面白いが、私にはこの本(宝島社刊)の主人公の田口公平の内面を描く著者の手法の延長上にあるだけのことだろうと思った。もともと文章は荒削りだ。
 また大学病院の手術室という極めて閉鎖的空間で起こった事故なので、一般的じゃない。トリックの解明も(もうこれで事故が殺人事件だと分かっちゃうけど、ネタバレじゃないよね)非日常的で、専門的にならざるを得ないところが、ある意味推理小説としてはフェアーじゃない。多分こいつだろなぁと予想はつくが、具体的に推理しづらい。
 この本は第四回(つまり昨年の作品)「このミステリーがすごい!」大賞作品である。


評価
★★

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妄想キャスティング――海堂尊【チーム・バチスタの栄光】 from ぱんどら日記

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