2006年11月29日

大崎梢著『晩夏に捧ぐ』

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 続けて同じ著者の本(これも東京創元社刊)を読む。副題の「成風堂書店事件メモ(出張編)」とあるように、今回は成風堂書店から離れる。
 杏子の元同僚有田美保が勤める老舗のまるう書店に幽霊が出るという手紙から杏子と多絵が「本屋の謎は本屋が解かなきゃ」と意気込んで夏休みを使ってそこに赴き、事件を解決する。
 今回は長編で、前回みたいな成風堂書店という限定された舞台じゃないので、その分ちょっとした本格もののミステリーにはなっている。従って前作よりは面白かった。
 大崎さんの2作を読んで、いくら著者が元書店員だからといって、書店員を探偵役にするのはやっぱり設定に無理があるのではないかとふと思った。確かに前作より面白かったけど、あくまでも前作と比べてという条件の下でそういっているだけであって、ミステリーとしてはどうしても前作同様物足りなさがある。

 これで買ってきた書店員を主人公にした本を4冊全部読んだ。で、読み終えて思うことは、「本屋もの」はつまらないということと、「本の雑誌」が選ぶエンターテイメント・ベスト10はあまりあてにならないといういうことが分かった。(『配達あかずきん』は「本の雑誌」が選ぶエンターテイメント・ベスト10の2位、『東京バンドワゴン』は4位なのだ)
 だいたい「本の雑誌」というのは出版関係者や書店員が支持している雑誌なので、そこですすめる本に自分たちの職場を舞台にした本を選ぶのは、どう考えても手前味噌的なところがある。あるいは自分たちの職場を知って欲しいという願望が本の内容よりも重点が置かれて、支持してしまっているんじゃないか疑いたくなる。
 それにもっと言わせてもらえれば、こんな本しか勧められないというのは、書店員の質がそれだけ低下している証拠とも受け取れる。馬鹿な書店員が集まって、ワイワイ言いながら選んだのではないかという光景が浮かんでくる。少なくとも今回読んだ本は50になった男がワクワクして読む本じゃなかった。息抜きにもならなかった。もうこの手の書評は基本的に信用しないことにしたい。


評価
★★

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