2007年02月14日

海堂尊著『ナイチンゲールの沈黙』

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 『チームバチスタ~』の第二弾(二弾なのかなぁ?もう一作新刊が出ていたが・・・。)アマゾンのカスタマーレビューだったか忘れたけど、この白鳥、田口のコンビの二作目を期待していた書き込みがあったが、その要望に応えた訳じゃないだろうけど、この二人が今回も登場する。
 読んでいて、あれ?文章がうまくなっているとまず思った。前作は荒削りで、笑えるのは笑えるのだけど、流れに任せて書かれていた。だからくどさがつきまとったような気がしたのだ。今回はその点抑制がきいていて、読んでいて心地よく、笑いも素直に受け入れられた。
 別に自分のこの拙い文章を棚に上げて偉そうなことを言うつもりは更々ないが、前作と比べて文章に進歩が見られるとうれしくなる。

 さて、今回も不定愁訴外来の田口公平が勤める城東大学医学部付属病院で事件が起こる。その小児科の入院患者の牧村瑞人の父親が殺される。このオヤジ、リストラされてから、借金はするは、酒浸り、虐待と、どうしようもない状態で、殺されても仕方がないのだが、その殺され方が、まるで解剖でもされたような殺され方であった。
 その事件担当が厚生労働大臣官房秘書課付技官・医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室長(まったく何と長い役職なんだ!こんなの名刺に収まるのだろうか?)の白鳥圭輔の大学時代のポン友加納達也であった。加納は最新のデジタル技術を駆使して、殺人現場をパソコンで再現して、犯人を追う。まぁそれはそれでいいし、実際の捜査では多分使われているだろうと推測するが、でも小説としてこれをやられると面白くなくなる。
 つまり、こうしてデータを駆使して、パソコンの画面で再現され、そこのデータから犯人が誰であるか、その確率を算出し、そのデータに合致、もしくはそれに近い数値(たとえば身長とか、年齢、性別とか)の人間が犯人だとしてしまうと、もうそれだけで話が終わってしまい、面白くも何ともない状態になってしまう。これからの推理(警察)小説はリアルに描こうとすれば、多分こうした最新技術による謎解きと、小説の面白さをどう共存させていくか、大変なことになっていくのだろうと、この本を読んでいてそう思った。
 幸い田口や白鳥、加納のキャラクターが面白いので、何とかこの本は面白味を保っている。ただ前作同様、特殊な状況、非現実的、あるいは納得しがたいところで話の落ちがあるので、イマイチな感じになってしまう。


評価
★★★


書誌
書名:ナイチンゲールの沈黙
著者:海堂 尊
ISBN:9784796654753 (4796654755)
出版社:宝島社 (2006-10-21出版)
版型:413p 19cm(B6)
販売価:1,680円(税込) (本体価:1,600円)

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