2007年07月29日

ジョン・ダンニング著『災いの古書』

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 元警官で古書店店主クリフ・ジェーンウェイの最新刊を読み終える。やっぱり本格派ミステリーは面白い。つまらん青春小説など屁みたいだ。
 さて、今回はクリフの恋人で弁護士であるエリンの昔の友人ローラ・マーシャルが夫殺しで逮捕されたことから物語は始まる。ローラの夫、ロバート・マーシャルはエリンの昔の恋人でもあった。
 ローラはエリンに弁護の依頼をするが、エリンにはためらいがあった。いくら昔の友人であっても、ローラはエリンの恋人であったロバートを奪った人物である。そのためエリンはまずクリフをローラの元へ行かせる。
 ロバートは蔵書家でもあった。調べてみると、本自体は大した値打ちのある本ではなかったが、そのほとんどに著者や有名人のサインがあった。つまり蔵書していたのはサイン本だったのである。
 ローラは最初自分が夫であるロバートを殺害したと自白したが、エリンやクリフ、そして地元の老弁護士のバリーはその自白に疑問を持ち始める。
 では誰がロバートを殺害したのか?そしてこの大量のサイン本は何を意味するのか?ロバートの蔵書を持ち出したバイヤーのおかげで、やがてこのサイン本に疑惑が生じ始める。
 う~ん、これ以上は書けない。書いちゃうとネタバレしてしまう。しかし、古本にまつわるミステリーは大好きだ。500ページもある本をあっという間に読んでしまった。
 これ以上話の内容には関われないので、違うことを書く。アメリカのミステリーは会話がやけに明るくて、ざっくばらんでいい。ロバートとエリンが恋人関係になった頃の話を次のように言う。

「そのとおり。あなたはアメリカの古書籍商協会に入り、各地で催される古書フェアに行くのよ。もちろん、私も同伴する。見習い兼、飢えた性の奴隷として」
「それはいい。特に最後のやつがね」
「皮肉を返したいところだけれど、あの晩、どちらがどちらを襲ったのか、思い出しちゃった」
「弁護士がすきそうな言葉を使えば、併発的な事態だったな。お互い同時にむしゃぶりついたぞ」
「あなたが玄関のドアをあけたとき、私、もう半分脱がされていたわ」
「ほんとうか?気がつかなかったな。それで通りにおっぽり出した半分は、なんだったのかな」
「パンティーは側溝のなか、ブラは消火栓に向かって放り投げたわ。ストッキング、靴、アクセサリーは歩道にまきちらしたのよ」
「どうりで気がつかなかったはずだ。きみはあの売春通りにすっかり溶け込んでしまっていたのさ」
「それで、いま、こういう関係になったわけね」

 なかなかじゃないですか!

評価
★★★★★


書誌
書名:災いの古書
著者:ジョン・ダンニング・横山啓明訳
ISBN:9784151704093 (4151704094)
出版社:早川書房 2007/07出版 ハヤカワ文庫
版型:15cm 558p
販売価:945円(税込) (本体価:900円)

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