2008年04月01日

大沢在昌著『魔物』上

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 昨年読もうと思って買っておいたのだが、他に読みたい本が出てきてしまったので、読むのが遅れてしまった。詳しいことは下巻を読み終わって書きたいけれど、面白い。面白いのだけれど、イコンにまつわる伝説が現代によみがえるというのには、少々リアル感に欠ける。
 麻薬取締捜査官と暴力団とのドンパチは、ハラハラさせ、どうなるんだろう、とページをどんどんめくる羽目になるのだが、せっかくこの場面で盛り上がっても、ロシアの麻薬の運び屋が一枚のイコンにまつわる魔物に取り憑かれて、あり得ない力を発揮したり、銃で撃たれても血も出ないというのは、ちょっとまずいよな~。まぁ小説だから、何でもありということだけど、どうしても読む方は納得できない部分が出てしまう。こうした非現実的なものを持ち込んじゃうと、せっかく話が盛り上がっても、それが気にかかり、興ざめしちゃうのだ。もしかしたら、このことが、この小説の最大の弱点となるんじゃないかと、今、下巻を読んでいて危惧するところである。
 下巻はこの部分をどうやってフォローするのか楽しみだ。ただエンターテイメントとしては面白いことは面白い。


評価
★★


書誌
書名:魔物〈上〉
著者:大沢 在昌
ISBN:9784048737678 (4048737678)
出版社:角川書店 (2007-11-30出版)
版型:361p 19cm(B6)
販売価:1,680円(税込) (本体価:1,600円)

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