2008年12月10日

奥野宣之著『読書は1冊のノ-トにまとめなさい』

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 この本は三省堂の本店で購入した。レシートには「法律経済」と書いてある。へぇ~、この本はいわゆるビジネス書の範疇に入る本なんだと思った。まぁ、この手の分類分けは誰がやっているのか知らないが、いい加減なものだからあまり当てにできない。
 しかし予想通りというか、私にとってつまらない本であった。そもそもこうした効率的な本の読み方の勧めや速読の勧めなど、はなから馬鹿にしているのである。
 じゃあ何でこの本を読んだんだといわれそうだけど、読んだ本のことを一冊のノートに書き込むことはちょっと興味があったからだ。この本の帯には「なぜ、読んだのに覚えていないのか」とある。答えは簡単だ。その本がおもしろくないからだ。それなのにせっかく読んだ本なのだから、自分の血や肉にしないともったいない、効率が悪いというのである。そうかなあと思うのだけれど。
 とにかくそういうことだから、読んだ本について何でもいいから一冊のノートに分類せず書き込みなさいというのだ。著者の言う「インストール・リーディング」とは読んだ本を自分のものとして落とし込み、咀嚼して確実に自分のものすることを言うらしく、そのために本を探す、買う、活用するという流れを作り上げることを勧める。そのツールとなるのが一冊のノートということだ。
 
 結局本を何のために読むのかということが問題になってくるのではないかと思う。たとえばビジネスに生かすとか趣味のために、あるいは教養を高めるためとさまざまな理由が浮かびそうだけれど、少なくともこれらの理由全て私には関係のないことである。そもそもそういう理由のために本を読んでいないのだ。本を読むことが好きだから、あるいは本を楽しみたいから、読んでいるだけだ。だから本を読むための効率性など最初から頭にない。本を読むこと自体、効率が悪いとさえ思っている。だってそうでしょう。このインターネットをはじめ、いろいろな情報が簡単に、しかも短時間で手に入る時代である。そんな時代に、ページをめくって、時間をかけて本を読むなんて効率が悪いに決まっている。
 でも、だからこそいいんじゃないのと言いたいところがある。むしろそういう時代だからこそ、じっくりと腰を据えて本を読む価値があるように思えるのだ。
 読んだ本の内容を忘れたっていいじゃないの。人間歳をとれば物忘れもする。どうしても気になるなら、その本を取りだして読めばいい。それだけのことじゃん。本の内容を忘れたからといって、何か支障をきたすんですかと言いたくなる。
 何でも最近は効率、短時間でというのがビジネスだけじゃなくて、私生活でも求められている傾向がある。だからこんな本がもてはやされるのだろうし、情報に多大な価値を置いちゃっているものだから、読んだ本を自分にインストールしないともったいないなんていうのだろう。大体情報過多になっているところに、これでもかとさらに情報を詰め込んでどうなるというのだ。むしろそういうことから解放される本の読み方をしたらどうだと言いたくなる。本を読む動機は「何か面白そう」、それだけでいいと思う。
 笑っちゃうのは、著者の勧めるノートに書き込む情報が、何冊もなってしまったらどうするのだろうと思っていたら、それはパソコンで検索しやすいようにしなさいというのである。おいおい、結局パソコンかよと思ってしまった。
 この本で唯一役に立ったのは「探書リスト」というEXCELで作成された表で、これは便利だと思い、購入したい本をここに書き込んで、たたんで持ち歩くことにした。それだけの本であった。やっぱり読まなきゃよかったと後悔する本であった。


評価


書誌
書名:読書は1冊のノ-トにまとめなさい ― 100円ノ-トで確実に頭に落とすインスト-ル・リ-ディング
著者:奥野宣之
ISBN:9784901491846
出版社:ナナコ-ポレ-トコミュニケ-ション (2008/12 出版)
版型:211p / 19cm / B6判
販売価:1,365円(税込)

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