2009年04月30日

吉村昭著『ひとり旅』

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 前回読んだ吉村さんの随筆が最後のものかと思っていたら、どうやらこれが最後の随筆集となるらしい。まぁどっちでもいいのだけれど、とにかくこれ以上新しい吉村さんの随筆が読めないことになるのは間違いない。
 例のよって、その落ち着いた雰囲気の文章を堪能した。やっぱり吉村さんの取材を通して語られる歴史に隠れてしまった話や、創作秘話や舞台裏の話が面白い。
 吉村さんはいわゆる定説となっている歴史的事実をそのまま鵜呑みにせずに、自らの足で、しかも一人で創作の舞台となった場所を訪れる。創作に当たり疑問に感じたことを調べるためにだ。そこで発見した新事実は時に定説となっている歴史的事実に疑問を投げかけることもある。それがどう評価されているのか知りたいところだけれど、少なくとも小説としては既成の歴史小説より新しい目線で人物なり、歴史的事実が語られるようだから、読む方としてはかなり面白いのではないかと思うのだ。
 あるいは今まで日の光さえ当たらなかった事実を取り出して、面白い小説を書かれているみたいだから、これから先吉村さんの書かれた歴史小説を読みたいと思っている私はかなり楽しみである。


評価
★★★


書誌
書名:ひとり旅
著者:吉村 昭
ISBN:9784163692708
出版社:文藝春秋 (2007/07/30 出版)
版型:247p / 20×14cm
販売価:1,365円(税込)

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