2009年05月18日

小路幸也著『スタンド・バイ・ミー』

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 第三弾を読み終える。今回も案外いけた。実を言うと今ちょっと後悔している。というのはこのシリーズは我が家の本棚に置いておこうと決めたのだが、第一弾は読後それほどでもないなということでブックオフに売り飛ばしちゃったのだ。ということはこのままだと第一弾がないことになる。これはちょっとまずいなと思い、なんとかしないといけなくなる。

 さて、今回もこの大家族に様々な問題が起こる。しかし問題といってもそれほど大したことではないのだが、主に人間関係のこじれから生じるものが多い。もともとこの家族、訳ありの人間関係から一つの絆で結ばれた家族なので、最初から問題を抱えていると言っていい・本人たちはそれほど気にせず、わきあいあいと過ごしているのだけれど、他人様からすれば面白いネタを提供してくれる。そこを突っつく輩がいて、それが時には問題となる。しかしこの家族のそんなことより、みんなと楽しく暮らしていることで、いつの間にかそういう問題は些細なことになってしまう。
 さらにご近所さんも、古本好きの人の様々な問題をこの家族に持ち込んでくる。当主の勘一は<文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決>という壁に貼ってある家訓を示し、「なぁに、ご覧の通り、我が家はあれこれ変なことを抱え込むのが家業みたいなもんでね。どうぞ、かまわんですよ」と何でも相談に乗る。
 これがこの話を面白くしてくれる。問題もすべてハッピーエンドで終わるのも、昔のホームドラマの鉄則で、それだから読んでいて安心できるのだ。
 またサチさんのナレーションもいい。様々な問題が解決した後、サチさんの存在を感じることができる紺さんがいつも仏壇の前に座り、サチさんと問題が解決してよかったねといった感じで会話するのもいい。この本の最後にも「わたしもいつかまた皆にさようなら言うときが来るのでしょうけれど、それまではもう少し、ここに居させてもらいましょうか」と次作につながる言葉は、それが出版されることを楽しみにさせてくれる。


評価
★★★


書誌
書名:スタンド・バイ・ミー
著者:小路 幸也
ISBN:9784087712292
出版社:集英社 (2008/04/30 出版)
版型:301p / 19cm / B6判
販売価:1,575円(税込)

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