2005年11月18日
あのあと
先日やっと書店の残務整理と会計上の伝票処理を終えて、税理士さんに伝票を渡した。そして今日、4月まで岩本町店があったところに、VELOCEがオープンした。
4月までいたところがどんな風に変わったのか知りたくて様子を見に行く。できる限り店内を見渡せる席を見つけそこに座る。座ってみるなり、私の席の後ろにある壁には、かつて文芸書の棚があったんだと思ったし、喫煙席になっている奥の方には文庫の棚があったんだと4月まであったお店のことを思い出す。このビルの構造上取り除けない柱がかろうじて当時の面影を残している。
確かに4月まで私はここで働いていたのだと思ったが、その柱以外当たり前だけど何も残っていない。
私はいつも閉店した店の残務整理を最後までやってきた。新大久保にあったお店の後出来たコンビニにも行ったし、秋葉原店の後に出来た喫茶店にも行った。大手町の合同庁舎にあった店の後が空いたままになったのも見てきた。りそな銀行の本店の売店にあった店の後も、ジュースなどのストッカーなどが置かれているのも見てきた。今回みたいにわざわざその後を見に行ったのもあるし、閉店後も必要があって行った場合もある。今日もそうだけど、あの時もやはり寂しい感じを持った。
今店にいるお客さんはここにあった本屋さんのことなんて気にもしていないだろう。ふと岩田さんのことを思い出した。岩田さんは今頃どうしているだろうか?彼がここで一人で頑張ってきた姿が目に浮かぶ。岩田さんは自分が働いてきた場所がこんな風に変わってしまったことをどう感じるだろうか?多分彼はきっとここには来ないだろうなぁと思った。
社長が閉店を決断し、それを我々に話したとき、彼は我々の前で泣いた。正直彼がここで涙を流すなんて思わなかったので、彼の態度の急変に驚いてしまった。彼は悔しかったに違いない。どんなに頑張っても、どんなに苦労しても、一向に売上が伸びないことに彼は自分自身の能力の限界に涙したのかもしれない。あるいはもっと別な思いが彼の涙にはあったのかもしれない。
とにかくここに座って、これを書いていると、ちょっと前のことなのでけど、様々なことが思い出されてくる。
i-pod聞きながらこんなことをノートに書いた。帰ろうと思ったとき、中村雅俊の古い歌が流れてくる。けっ、何もこんな時にこんな歌など流れなくてもいいのに思いつつ、VELOCEを出る。
- by kmoto
- at 20:46
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