2006年09月02日
見つからない
水曜日の夜、仕事が終わって、かみさんと待ち合わせて、ヨドバシの8階にある天風でお好み焼きを食べる。帰りに欲しい本があるので有隣堂へ寄りたいと言うから、有隣堂に寄る。
かみさんがその本がどこにあるか店員に聞こうとするから、私はレジの人間に聞いたってアルバイトだから分かりゃしない。それより検索機で調べれば、すぐ分かると言って、検索機で在庫の確認をしてみる。案の定在庫がないと出る。でも、その本じゃなくても同じことが書いてある本があればといって、関係する用語を検索機にかけ、棚番号を調べ、そこへ行ってみる。かみさんはこの検索機に、今の本屋さんって本当に便利になったわねとえらく感心している。これで調べれば店内の在庫が一発で分かり、親切に棚番号が書いたものがプリントアウトできるからだ。ある意味これがあるから、在庫管理をしっかりしておれば、パート・アルバイトに仕事が任せることができる。本のことをよく知る必要性などないのだ。
で、どうしてもその本が欲しいらしく、翌朝、「あの本注文してくれない」と頼まれ、さっそくネットで「本屋タウン」のサイトから注文する。
金曜日には入荷のメールが来たので、帰りに有隣堂にそのメールをプリントアウトした紙を持って、サービスカウンターへ行く。ところがその本が取り置き棚にないのだ。カウンターのねえちゃんが二人ががりで探すのだが見つからない。一人は棚を何度も捜しているし、もう一人はカウンターにあるパソコンで、本当に本が入荷しているかどうか確認したりしている。入荷は確認できたみたいだ。でも本が棚から見つからない。「少々お待ち下さい」と言われ、今度は責任者らしき人間を呼び出し、「本屋タウン」の事務局に電話を入れている。
私は、今の時間帯に日販の関係者がいるわけがないだろうと思いつつ、彼らの行動を眺めている。この時点で私は、本は間違いなくここにあるだろうと思った。ただかみさんが欲しがっていた本が、所謂背表紙のある本ではなく、薄っぺらいパンフレットみたいな本で、そのため棚を眺めていても見つけることが難しい本だと予想した。あるいは薄い本なので、他の本や雑誌に紛れ込んでしまっている可能性がある。
責任者は意を決したらしく、私のところへ来て、謝りながら、見つけ次第送りますと言う。まぁそれでも構わないがと思ったが、ちょうど交代なのか、他の女性店員がカウンターに入ってきて、周りが慌てているのを見て、自分も取り置き棚を見て、すぐかみさんの本を見つけた。やっぱり予想した通り、背表紙のない、中綴じの薄っぺらい本であった。責任者は何度も頭を下げ、私にその本を渡す。
私はこの間怒ったかというとそうではない。(いつも怒っているわけじゃないよ)こういうことって書店員時代よく経験した。担当者がいなくて、お客さんが本を取りに見えて、取り置き棚を探すが、見つからない時がよくあったのだ。そういう時って、だいたい薄っぺらい本か小さな規格外の本で、探す方が既成概念で、本ってこんな感じだろうと思いこんでしまうから、そこからはずれた本はなかなか見つけにくいのだ。経験者ならこのことが分かるべきだと思うが、サービスカウンターにいるねえちゃんにそれを期待するのは無理かもしれない。慌てて来た責任者も、客の対応にはそつなくこなすけれど、おそらくそれほど本の業務には関わっていないのかもしれない。
きちんと担当者が常時そこにいれば問題はないのかもしれないが、そもそもこのお店はそういうコンセプトで作られていないことを知っている。だから検索機を置いて、客に在庫を調べさせ、店員に余計な仕事をさせないのだ。レジカウンターにいる人間は本を客から受け取って、カバーをして会計すればいいだけだし、在庫管理の人間は、入れるべき棚に本をきちんと入れればいいだけの仕事しかしない。だから店員に本の知識など求める必要性などないのだ。誰でも簡単にできる仕事を安い賃金でパート・アルバイトにさせて、人件費の削減を徹底しているのだ。ただこういうのって、どこかほころびが出てしまう時もあるだろう。たまたまそれに私は当たっただけのことだ。
- by kmoto
- at 07:16
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