2007年03月12日

ジュンク堂と丸善

 2月21日の全国書店新聞に「出版業界紙『文化通信』はアルメディア調べとして2006年1月から12月までの書店出店・閉店状況を発表した。これによると年間新規店は397店で前年より23店(6.1%)増。閉店は1104店で208店(23%)増。店舗数は差し引き707店と減少したが、売場面積は1万7802坪増加した」という記事を載せている。要するに大型店の出店が増えている状況を説明している。

 その大型店の一つであるジュンク堂新宿店は最近、増床して、確かワンフロア増えたんだと聞いている。

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 まずは7階でエレベーターを降りてみる。ドアが開いて目にしたのは、高い棚とその本の多さであった。こ、これは本屋か!まるで倉庫みたいだ!日販の店売みたいじゃないか!いや、店売より在庫がある!と思った。圧倒された。まずは、フロアを一巡してみる。ものすごい量だ。こんなに在庫を抱えられる資金力を思うと、頭がふらふらになる。社長の言葉は嘘ではなかった。そしてこの中から目的の本を探すのはものすごく大変だ。
 目的の本は人文のコーナーにあるだろう。そして海外文学の棚だと思いつつ、探し歩くが、海外文学でもフランス文学、ドイツ文学、アメリカ文学など分かれているし、それ以外に評論などのジャンルも加わってくるから、どこにあるか分からない。こうなるとコンピュータでの検索機がないと、簡単に探せない。お客があちこちにある検索機を使って本を探しているのが目にはいるが、当然のような気がした。
 で、私も検索機を使って探してみる。ヒットはした。けれどこれじゃどこにあるか分からない。たとえば有隣堂のように棚に番号がふってあれば、そこの棚をめざして行けばいいが、ここではただフロアの地図があって、文芸のコーナーが黒く塗りつぶされているからここにあるんだよと教えてくれても、その文芸の棚が半端じゃないほど多いから、まったく分からないのだ。

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 「ご利用有難うございます。お探しの本が見つからない場合は、お気軽に最寄りの係員にお尋ね下さい」と書かれているけれど、尋ねたくてもどこに係員がいるか分からない。だいたい検索機を使っても場所さえ探せないなんて情けない。 ただ、一番下に「在庫がある場合は『7階-文芸書:海外文学全集』です」と印字されている。ここでそうか!海外の文学全集が置いてある棚のところに行けばいいんだなと判断する。だいぶ絞れてきた。で、海外の文学全集の棚の前に立って、隅から隅へと探してみる。あった!ここまで多分10分ほどかかっている。これだけの本の中から目的の本1冊を探すのは大変だ。
 レジで会計を済まし、その後他のフロアにも行ってみるが、ざぁーと見ただけでへとへとになってしまった。

 ものは考えようかもしれないが、これだけの規模の本屋さんで、自分が欲しいと思っている本を探そうとすると、かえって精神的疲労を強いられるのではないか。だって必ずここにはあるはずだという思いから、ここに来ているわけだから、意地でも探してやろうという気持ちになるからだ。町中の本屋だったら、ざっと棚を見て、ないことを確認した上で、カウンターへ行って注文すればいいだけだから、ある意味簡単だ。あるいはネットで注文すれば、本屋さえ行かなくても済む。定価2,625円もするから送料も無料だ。待っているだけでいい。
 今回はジュンク堂を見てみたいという思いから、わざわざ足を運んだけれど、次に来たいかといえば、ちょっと勘弁して欲しいという気持ちになる。もちろん自分の近くにジュンク堂があれば、別かもしれないが、ぶらりと本屋に寄って、本を探すという雰囲気の店じゃないような気がする。もちろんこれは私の個人的な意見なのだが・・・。だって棚を見ているだけで疲れちゃったもの。大きすぎるのも厄介だ。
 それでもかなりのお客さんが来ている。驚いたのは、スーパーなどにあるカートが置かれていたことだ。それだけたくさんの本を求めていくお客さんがここにはみえるのだろう。

 帰りに日本橋によって新装オープンした丸善日本橋店にも寄ってみた。ここはジュンク堂みたいなこれでどうだ!という在庫は置いていない。だから入り口にあった店内案内用のパンフレットには、「厳選された品揃え、きめ細かいサービスで、丸善『第一』の品質を提供する店舗を目指します」とある。

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 だろうなぁ。在庫で有無も言わせないやり方と、限られたスペースで品揃えを厳選して置くやり方が対照的だ。個人的にいわせてもらえれば、置く本を選んでいる棚の方が魅力的だ。本を探す一方で、棚にひそむコンセプトを見抜くのも案外楽しいものではないだろうか?
 でもジュンク堂で疲れ切ってしまったので、丸善ではそんなことを感じる余裕が私にはなかった。新装開店のお祝の生花から薫る強い花の匂いが、花粉症の私には辛かった。
 お陰でせっかく丸善に行ったのだから、モンブランのインク瓶を買うつもりでいたのに忘れてしまった。やれやれ・・・。

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