2007年07月17日

あだ花は実をつけるか?

 いつも行くブックオフにいつも太った女の子がいて、汗をかきながら仕事をしていた。例によって愛想が悪そうな感じで、おそらく店の他のスタッフに、口うるさく指示しながら、仕事をしていたんじゃないかと思う。たぶん彼女がいる間は彼女が店を仕切っていたんじゃないかと思っていた。
 その彼女を最近見かけなくなった。とたんにこの店の棚が荒れてきた。
 ブックオフの棚は、著者名のあいうえお順に並んでいる。それがかなりいい加減になっているのだ。たとえば久坂部羊さんの本が「ひ」のところに並んでいた。最初なんでこんなところに並んでいるんだろう。客が手に取った後適当に戻したのかなぁと思っていた。そしてしばらくしてから馬鹿なバイトが勝手に判断して、「久」だけを「ヒサ」と読んだから、ここに収まったのだと分かった。つまり「クサカベヨウ」と読めなかったのだ。
 そして「く」で始まる作家名の本のところを見ると、久坂部羊さんがあるのだが、まとまっておらず、他の作家の本が数冊あってそのあとまた久坂部羊さん本が1冊並んでいた。客はいったん手に取った本をきちんと元の場所に戻さないのはよくあることで、バラバラになってしまうことはある。だから店員は棚を見てきちんと直さなければならないのだが、それが行われていない。あるいは補充の時適当に突っ込んでしまったのかもしれない。要するにきちんと管理されていないのだ。しかし彼女がいたときはそんなことはなかった。

 こんなことを書いたのは16日の朝日新聞の記事を読んだからだ。そこには人余り時代は好調だった、不況型ビジネスが苦況に陥っていると書かれている。その不況型ビジネスとして、グッドウィル、ブックオフ、外食、コンビニがあげられている。
 それまで人余りであったので安価な労働力で成り立っていたそれらの産業が、景気が好転しつつあるので、アルバイトが不足しつつあるというのだ。そのためスタッフの確保が難しくなり、また人件費も上昇し、経営に陰りが見えつつあるというのだ。
 この店もその影響なのだろうか?とにかく棚の陳列がひどくなりつつあるのがよく分かる。そして集まってくる人材も質が悪い奴らばかりだから、こんな状況になっていったのだろう。安い人件費で店をやりくりしたいのはよく分かるが、それでも一人くらい質の高い人材が必要ではないかなんて思う。
 ブックオフは店舗運営をマニュアル化し、ベテランを不要にして、アルバイト中心の店舗網を拡大してきた。そのため91年の創業以来の右肩上がりで伸びてきたが、06年には前年同月比下回った。そのため売上高を1.1%水増しして架空計上し問題となった。(その関係か、最近ブックオフではセールをやらなくなった)
 本屋はやっぱり陳列が命だろう。それにはバイトに仕事をさせても、それをちゃんと管理できる人間を配置すべきだ。サッカーのオシム監督じゃないけれど、陳列も「うつくしく」ないといけない。
 だいたいグッドウィルにしても、ブックオフにしても、言ってみればそれまであった既存の産業や商売の「あだ花」的存在だと思う。
 でも考えてみると、今ある既存の産業や商売などは、最初は「あだ花」的存在だったのだろう。それが既得権を獲得して、確固たる地位や存在感を得たのには、やはりそれなりの世間の支持を得たからだろう。もし今のグッドウィルやブックオフのように経営効率や利益追求のみにひた走っていたら、今ここになかったのではないかと思う。
 グッドウィルのことはよく分からないけれど、ブックオフなら、どうやって仕入れた本を売っていくか、それが基本だろう。だとすれば、いかにお客さんに気持ちよく買ってもらえるかそれを考えないとならないのではないか。となればこんな馬鹿な棚陳列をしてちゃまずいでしょ。それを言いたかったのである。この点は新刊書店もブックオフでもそう変わりがあるとは思えない。やっぱり一人くらいプロを置かなきゃまずい。あるいはそうしたプロを育てるべきだ。

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