2010年10月15日
思うままに その28
10月に入った。やっと涼しくなり、秋の夜長である。読書の秋である。また本を読むぞ!とちょっと元気になりつつある。タラタラ読んでいた本も終わり、次に読む本を取り出す。先月書店で買った本である。読んでいて、あれ?紙がやけに白いな。まぶしいくらい。決して大袈裟ではなく、事実そう感じた。何故ならそれまで読んでいた文庫本が31年前に買ったもので、日焼けして赤茶けていた。それを2週間ばかり手にしていたから、買ったばっかりの本がやけに白く見えたのだ。
今自分の本棚にある本はだいぶ古めかしい本が多いのだが、それも昔買って、後で読もうと言う魂胆だったから、そうなっている。とにかく買ってしまうことばかり考えていた。長いこと本屋で勤めていたから、本屋で本を手に入れる期間は結構短いことを知ったからだ。店頭に並んでいる期間などほんのわずかだ。そして店頭にないから注文すれば、“品切れ”といったゴム印を押された短冊(注文書)が帰って来た。その為今度は古本屋で探しまくり、とにかく見つければ買っておかないと今後二度と手に入らない、という強迫観念の襲われたので、予算の許すかぎり買い集めてきたのだ。だから白い本より赤茶けた本を読むことが多くなっていく。
しかし最近感じることは、欲しい本があって、それを探している時は、古本屋さんに行くのが楽しかった。もちろん目的の本が必ずあるとは限らないし、むしろないことが多いのだが、それがなければ次を探せる。探すため次に古本屋さんへ行く目的が残る。しかしここのところそうした本が自分の中でないのである。従って古本屋さんを歩いてみようという気持ちがなかなかわかない。まして根っからの出不精である。インターネットという便利な機能があればわざわざ古本屋さんに行くまでもなく、画面上で日本全国から探せる時代である。ますます出かけていって本を探すというのが面倒になる。めざとい本を見つければまずはネットでという行動に出てしまう。
先週新橋と早稲田で古本祭りが開催されていた。新橋の古本祭りは一度偶然出くわしたことがあり、いく張りかあるテント内の本を見て一巡したことがある。場所柄年配のサラリーマンも多くいる場所である。出ていた古本には戦記物が多かったような気がした。
早稲田の古本祭りはいまだ行ったことがない。だから行ってみようか、と思ったが、行くべきかどうか悩んでいるうちにイヤになってしまい、やめてしまった。これだってこれといって探している本がないから、わざわざ行くべきもんじゃないよな、と思いはじめたら動けなくなってしまったのである。
確かに別に探している本がなくても、古本祭りは楽しいことはよく知っている。時には思わぬものがあったりして、それはそれでかなり楽しい。けれど出不精の方が勝っているこの頃である。どうしても目的がないと動けなくなっている。やっぱり歳なんだろうか。それとも性格なのかもしれない。時間をかけて出かけるなら、その分本を読んでいた方がいいじゃん、と思うのだ。
ちょっと中身を見てみたい文庫本があった。内容を見てみて買うかどうか決めたいと思ったのだ。こういう時はやっぱり本屋さんに行けば、その本を手にできるので、本屋さんは有り難いな。
しかし変わった本なので、普通の本屋さんには在庫がない。仕方なしに三省堂の在庫検索をネットでして、在庫の確認の上仕事が終わって寄ってみた。
結局わざわざ買うまでもないないな、と思い、それはやめて、他の文庫本一冊を買う。レジで会計をするのだが、店員に「CLUBSANSEIDOカードお持ちですか?」と聞かれ、お金を出してしまった財布をもう一度出して、ポイントカードを探し、出す。
その後少々小腹が空いたので、近くのドトールに入り、コーヒーとデニッシュを一個買う。その時も会計で、「Tポイントカードお持ちでないですか?」と聞かれ、一端しまった財布からポイントカード取り出す。
ポイントは好きなのだけれど、こうも立て続けにポイントカードの提出を求められると、結構面倒である。まして意識していない分うざったい部分がある。
その上私にはわざわざポイントをつけて頂いて申し訳ないという気分がある。だからまめにカードを出しておいて、情けなくもなる。どこかせこさを感じてしまう。こういうサービスを既得権みたいに、何のためらいもなく出せないところが自分にはある。当たり前でしょ、という気持ちでお金と一緒に出せるとだいぶ気分的に楽なんだけどね。
さて買った文庫を鞄から取り出す。カバーが変わっている。よく見ると東京電力の「Switch!」キャンペーンの広告カバーだ。東京電力と三省堂がコラボしている。というか、三省堂が本のカバーを広告媒体として提供して、カバー代を浮かしているというべきか。カーバー代だけでなく、おそらくキャッシュバックを受けているかもしれない。
だからといってこれを非難しているわけじゃない。いい企画だと思っている。本のカバーを広告として使うことは面白い。ただ安っぽいのはまずいし、広告が結婚相談所みたいなところだと、ちょっと勘弁して欲しくなる。三省堂は“天下の三省堂”である。その点はちゃんと考慮しているようで、有名企業の広告で、しっかり厚みのあるカバーを使っている。デザインも面白いし、カバーの後ろの折り込みにはページをはさめるような機能も有している。ただ難点は、ちょっとカバーがつるつるしていて、長いこと手に持っているとべとつく感じがしてしまう。ということでこれは私には使いにくいので、さっさと剥がす。(だからといって私が脂ぎっているというわけじゃないぞ。単に長時間手に持てないということだ。わかるでしょ?)
この文庫は以前他の出版社から出ていたことを知る。最近こういうのが多い。復刊といえば聞こえがいいが、要は最近の本を文庫化しても大して売れないから、だったら昔他社から出ていて、今は品切れや絶版などになった文庫を自分ところで新刊として出していることではないか、と勘ぐっている。あるいは著者側に印税を稼ぐ理由があるのかもしれない。
開高健さんや山口瞳さんの最近出ている文庫を店頭で見ると、あれ、この文庫○○出版社から出ていたよな、と思う。もちろん最初に文庫化した出版社の文庫が私の手元にある。
まぁ、読みたくても手に入らなかった本なら、どこの出版社でも新たに出版されれば、読めるんだから悪い事じゃない。ただ私はこのオリジナルをこだわりたい部分がある。ブログでも可能な限り、そうしている。
かっこいいことを言えばこういうことなのだが、昔の本を持っているなら、同じ本をわざわざ新しく買う理由はない。だから必然的にそうなるだけのことだ。
ここの出版社の文庫は最近文庫を出版するようになった。主に児童書を出している出版社である。でも文庫はラインナップは面白いものを出していると思うので、点数は少ないけれど気に入っている。
そうそう、児童書といえば、理論社がつぶれちゃったね。昨日書店組合からその連絡がFAXで入っていた。もうちょっと調べてみると、少子化の影響などによる市場の縮小傾向から販売が落ち込んじゃったらしい。負債は22億円だそうだ。
書店組合から入ってくるFAXには商品情報のほか、こうした出版社倒産情報がある。その度に今度はどこだと思っちゃう。まったく嫌な時代になった。
保健所へ提出する書類があったので、九段下へ家から直接向かう。その方が地下鉄一本で行けるから便利なのである。
少々早めに九段下に着いてしまい、コーヒーでも飲んで時間を潰そうと思い、地下から出て、靖国通りを見渡す。向かい側に窓を大きくとった喫茶店が目に入ったので、そこに入る。二階に上がり、窓際の席に座る。通り一面が見渡せて気持ちがいい。それにしてもこの店、やたら椅子が多い店だな、と思う。今は通勤時間だから店内に人が少ないが、場所柄、近くのビジネスマンたちが商談などに使われるためかもしれない。
席から広い通りの向かい側を見てみると、マックやスタバ、立ち食いそば屋や、テイクアウトの寿司など売っている店が並んでいる。通勤前に慌てて朝食を食べているのだろうか?すぐそこに靖国神社があるし、通り自体広いので、ここから見える町並みはゆったりした感じがするのだが、そんなファストフード店が並んでいる一角は、ちょっと異質な感じがしないでもない。
本屋があった。もうお店は開いていた。開店時間の表示があったので、それを見てみると、朝は8時から開けているようだ。
最近は朝早くからお店を開けている本屋さんは少なくなったと思う。朝、新聞の本の広告や書評を読んで、読んでみようかなと思って、朝の通勤途中で本屋に入り、それを手にできるのはうれしいものである。ちょっと前まではそれができるお店がそれなりにあったのだが、最近は大書店の寡占化が進んだからか、それらの店舗はだいたい、10時か11時頃の開店が多い。だからそれができなくなった。
本屋さんの朝は忙しい。届いたその日発売の雑誌や本の荷ほどきをして、店頭に並べなければならない。この時間開店しているお店は、そんな作業をしながら、接客しなければならない。自分がかつていたお店も朝9時前に開けて、荷ほどきしながら、本や雑誌を並べながら、接客をしていた。これは結構大変なのだ。だから開店時間をずらして、まずは新刊を並べてから、お店を開けたるのだろう。とにかく通勤途中で本屋などしばらく入ったことがなかったので、朝お店を開けているのが、うれしくなってしまう。
店内に入ってみると、自分がいた店とは違い、整然としていて、陳列もきれいだ。まだできてそれほど日数がたっていないのだろうか?きれいで明るい。ザッと店内を歩いてみた。ここで本を買ってみたいな、という気分になる。棚をながめていて、面白そうな本を1冊見つけたので、それと以前から買おうと思っていた本を、書類を保健所に提出した後、ここで買おう、と思う。
今日は忙しくなる。この後お茶の水の支店へ行き、提出した書類の控えを渡し、事務所に行く。今日は細かい事務処理がいくつかあるので、それをやって、夕方人と会う予定だ。
でもなんか、朝から大好きな本屋さんに入れたことが、今日はいい感じで、無事に一日が終わりそうな気がする。今日が終われば明日から休み。買った本や雑誌、コミックを読んで過ごせる。
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- by kmoto
- at 15:04
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